与野キリスト教会は、１９５４年４月、上野先生ご夫妻がイエス様に召し出されて与野の地に来られ、そこから始められました。与野教会に働かれた主のわざを覚えつつ、４６年間の歴史を３回にわけて追っていきたいと思います。
１．草創期（1954〜1969）
右：上野師夫妻
左：佐々木さん夫妻
１９５４年４月２０日火曜日、３月に神学校を卒業し、結婚をされたばかりの上野先生ご夫妻が与野の佐々木さん宅に引っ越され開拓伝道が始められました。
そして、４月２５日の日曜日には初めての日曜学校、聖日礼拝が行われました。上野先生ご夫妻の熱心な伝道と、神様の素晴らしい働きによって、この年の１２月５日には１４名の洗礼者が与えられ、この日に教会設立式が行われました。
６坪のミニ会堂
翌年（１９５５年）１２月には、それまで礼拝をしていた牧師館（佐々木さん宅のはなれ4.5畳一間＋1.5畳土間）を改装し、６坪のミニ礼拝堂を作りました。
当時のクリスチャン小冊子には上野師のこのようなコメントが載っております。
「昨年１２月４日、星野先生を迎えて、教会設立１周年記念礼拝の朝、６坪余りの集会場が出来上がった。おそらく日本一小さいことであろう。屋根には手製の十字架もつけたが嵐があったらとんでしまいそうである。しかし、一人一人の魂に打ち立てられた主の十字架はいかなる浮世の嵐にも倒されないことであろう。」 聖潔 昭和３１年６月１日号
かまぼこ型教会
１９５９年には、アメリカ軍兵舎を取り壊し移築することになり、翌年２月２１日に現在の住所にて、新会堂での第一回目の礼拝がもたれました。
この教会は１０年の間、かまぼこ型の教会という愛称で、多くの方々が教会に集われました。新しい土地を借り、旧兵舎で礼拝をしていた与野教会でしたが、神様は不思議な出会いを通して、次のみわざをなさろうとしていたのです。
２．現会堂建設から幸子師の発病（1969〜1992）
１９６９年４月、創立１５周年記念集会に招かれたチャールズコーウィン先生の提案で上野師がクリスチャンアカデミー（宣教師の子弟の学校）で証をしました。
かまぼこ型会堂を解体し、
基礎工事をするコーウィン先生達
新しい会堂が組みあがっていく様子
コーウィン師の呼びかけによって感動した１１人の青年とにより、かまぼこ型会堂を取り壊し、基礎工事をすることになりました。多くの方々の祈りと支援に支えられ、現教会が１９７０年４月に献堂式を迎えました。
銀婚式での記念撮影
１９７９年５月、教会創立２５周年記念と上野師夫妻の銀婚式を盛大にお祝いいたしました。約８０名の方々が主のみわざを誉め讃え、同時に２５年の間、与野での開拓伝道を通して神と人とに仕えてこられた上野師夫妻の働きを労う素晴らしい一時となりました。
このようにして多くの方々に愛され続けた与野キリスト教会でしたが、上野師を支えてこられた幸子師が難病のパーキンソン氏病にかかられてしまい、これ以上伝道牧会を続けていくことが困難になりました。
当時属していた福音教会連合を通じて後継の牧師探しを懸命に始めた上野師でしたがなかなか道は開かれません。そんなとき、上野師の古くからの友人である故田中美男師より、一本のテープが届いたのです。そのテープを通して道が開かれようとしていたのでした。
３．新しい風 （1994〜2000）
後継の牧師を探していた上野師のもとに届いた１本のテープ、そこには故田中美男師から「困ったことがあったら何でも言って下さい。」という言葉が入っていたのです。
その言葉を祈りの応答と受け止めた上野師は、早速米沢の美男師に連絡を取り、米沢興譲教会から神学校を卒業したばかりの川井師が副牧師として派遣されました。その時に、日本福音教会連合から興譲教会のグループであるアガペー宣教会に教団を変え、田中信生師に顧問牧師になっていただき、新しい出発をいたしました。
また、米沢から来た川井師が教会に住み、上野師夫妻は別棟の集会室を改装し、新しい住まいとされました。多くの方々が教会を訪れ、信仰を持っていかれました。中でも、竹村由夏姉（現牧師夫人）と亀田克彦兄の二人が献身に導かれ、９６年４月に米沢にあるACTS神学校に学びに行かれました。
１９９７年５月２０日、上野師を43年間支えてこられた幸子師が主の御許に召されました。前夜式には吉岡孝師が、告別式には田中信生師が司式をして下さいました。２００人以上の方が、参列され、この世でのお別れをしました。
川井師夫妻の結婚式 2000.5.27
９８年４月、竹村由夏師が、神学校を卒業して帰ってこられました。９８年９月に学びのために渡米した川井師に代わって、副牧師に就任されました。
２０００年５月２７日に、留学を終え帰国した川井師と由夏師は結婚され、８月２７日より、上野師は名誉牧師になられ、川井師が牧師として就任されました。
与野キリスト教会の４６年の歩み、それは何も無い状況から、主の御言葉のみに信頼して与野の地に越して来られた上野先生夫妻から始められていきました。
その道のりには、多くの祝福と共に多くの困難があり、教会も大変な状況を通らせられたこともありました。しかし信仰を持ってそれら一つ一つを乗り越えてきました。教会の歴史を見るときに、そこには神が信じる者の中に生きて働いてくださっている恵みを見ることができるのです。（月報「祈りの家」2000年9月号〜11月号）