肉親の父は、しばらくの間、自分の考えに従って訓練を与えるが、魂の父は、わたしたちの益のため、そのきよさにあずからせるために、そうされるのである。全ての訓練は、当座は、喜ばしいものとは思われず、むしろ悲しいものと思われる。しかし後になれば、それによって鍛えられる者に、平安な義の実を結ばせるようになる。 ヘブル12:11
代表的な夏野菜のトマトの中でも、完熟トマトは、普通のトマトが熟したものではありません。硬い荒れ地で、極端に水を少なくして育てるのだそうです。そうするとトマトは必死に生き抜こうとし、たくさんの細根を張り、わずかの水分でも吸い上げ、強く引き締まった実をならせます。それが完熟トマトになるのです。
私達も、人生の中で豊かな実を実らせるためには、硬い荒れ地で、しかも水分が足りないような状況を通らせられるようです。そのことを通して人格が鍛えられ、大変な状況に対する力が備えられ、どのようなことがあっても振り回されない確かな自分づくりがなされていくのです。 上記の御言葉は、魂の父である神が、私達を愛するが故に訓練するということが書いてあります。神が私達に試練という訓練を与えるのは、それが必ず私達の益になるからです。多くの場合に訓練というのは、大変でつらく大変なものです。しかし私達の魂の父なる神は、私達に乗り越えられないような訓練は与えません（１コリント10:13）。そのことを、ある神学者は、「神は私達が担えない十字架は与えない」と言いました。神は、私達がその訓練を乗り越え、そのことを通して多くの祝福にあずかることを信じ、その状況をゆるしているのです。
この教会に集っておられる方々で、特に人生の半分以上を信仰を持って歩んでこられた方は、そのような主の訓練を通り、今、喜びに満ちあふれながら歩んでおられます。ある方は、大きな病や障害と戦い、またある方はご主人を病で先に天に送られ、また様々な人間関係や、ご親戚の方々との誤解や問題の中に巻き込まれ、数え上げればきりの無い多くの試練の中を歩まれましたが、それらを主の訓練として耐え忍び、今、本当に大きな感謝を神に捧げながら歩まれておられるのです。お一人一人が、そのような試練を通し、更に神との関係を豊かにしながら歩まれておられることは、何と大きな励ましでしょうか。
人生の中において、豊かな実を結び、刈り取るために、与えられた状況の中で、日々主への信頼と感謝を持って励ませていただきましょう。