イエスは彼に目をとめ、いつくしんで言われた、「あなたに足りないことが一つある。帰って、持っているものをみな売り払って、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。 マルコ 10:21
初めてスキーをはいてリフトに乗った小学校の時です。身の程知らずにも一番急な所へリフトで行ったは良いものの怖くて降りられなくなってしまいました。泣きながら必死になってその斜面を歩いて降りた記憶があります。もちろんその後はなだらかな所で練習したのは言うまでもありません。
人間の成長を阻む最大のものは、自分がわからないということです。自分の実力にあったことをしないで、いくら背伸びをしても、そこから成長していくことはできません。成長するためには、自分に気付き、自分に出来ることからチャレンジすることが必要なのです。
ある時、キリストの前に青年が走り寄り、永遠の生命を受けるには何をしたらよいかと尋ねました。律法を守りなさいというキリストの答えに、青年は、それらは小さい時からみな守っていると答えた記事が聖書には記されています。その青年は自分では完璧に律法を守っていると思っていました。そんな青年をキリストはいつくしみをもって、彼に出来ないことをあえてチャレンジしました。彼はその結果、顔を曇らせながら立ち去っていきました。しかしそれは、自分ではできていると思っていた彼が、できない自分自身と向き合う、成長のスタートになったのです。
私達の歩みも、日々、不十分な、弱い自分自身と向き合わせられます。そのような私達をキリストはいつくしみを持って受け入れ、それがあなたなのだ。そのようなあなたのために、私は十字架にかかったのだと、いつも語りかけ続けているのです。自分自身と向き合うことは、マイナスなことではなく、自分に出会い、キリストの愛に出会い、そこから成長していくために必要なことです。大切なことは、その自分を認め、受け入れ、そこから自分に出来ることを始めていくこと。それが、その人の成長のスタートになるのです。
イエス・キリストは、弱い私達を決して裁かず、いつくしんで下さる方です。この愛に出会うときに、人は無限の可能性に向かって成長し始めるのです。このキリストの愛の中で悔い改め、自分自身に与えられた状況の中で、最善のチャレンジをさせていただきましょう。