与野キリスト教会

2002年、新しい年の幕開けです。昨年は、日本でも、世界でも様々な出来事が起こりました。その事柄を通し、多くの人々が世界は大丈夫だろうかという不安を持ったのも事実です。今日、あまりにも発達した情報網によって、数多くの衝撃的なニュースが流され、人々は不安におののいているのが現状ではないでしょうか。

イエス・キリストが、上記の御言葉を語られたとき、それは言葉とは全く異なる状況でした。復活したキリストが、最後の別れにオリブ山に弟子達と共にやって来られました。そしてこの言葉を語り、弟子達を離れ、天に昇って行かれました。「世の終わりまで、あなた方と共にいる。」と言いながら、弟子達の前から去っていったのです。この矛盾しているような言葉を理解する鍵は、その前に語られている「見よ」という言葉にあります。キリストが「見よ」と言ったのは、キリストが弟子たちの前から離れ去っていく目で見える現実ではありません。「いつもあなた方と共にいる」と語られたその約束を「見よ」と語られたのです。

人間は目で見ていないものを見ることができる不思議な力を神から与えられています。同じ状況を見ても、ある人はそこから否定的なものを見、別な人は建設的なものを見ます。つまり、人によって見え方が違うのです。否定的なものを見る人は、そこから恐れと不安を刈り取り、建設的なものを見る人は、そこから平安と希望を刈り取っていくのです。

今年も、色々なニュースが私達の思いを混乱させようとするでしょう。また私達自身に起こる様々な事も同様です。しかし、私達が本当に目を向けなければならないものは、目に見える現実ではなく、御言葉の約束の上に固く立った、イエス・キリストがどのような状況の中でも私を愛して下さり、私と共にいて下さり、全てのことを最善にして下さるということです。皆様が、いつもこの約束に目を向けていくならば、どのようなことが起こったとしても、それに振り回されない、そこからでも祝福をしっかりといただいていける、確かな歩みができるのです。

皆様は、今何を見ていますか。何に目を向けていますか。キリストは今日も、「見よ、わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいるのである。」と語って下さっておられるのです。