与野キリスト教会

今年も残すところ１ヶ月となりました。皆様も２１世紀最初の年として、新しい希望に出発した１年であったのではないかと思います。その中には本当に素晴らしい出会いや、喜びや感動の時もあったでしょう。しかし同時に、大変な出来事や、社会的にも色々な事件を思い起こします。新しい世紀を迎えましたが、多くの人々が将来に対して不安を持っているのも現状です。

人間は危機から身を守るために、自分の肉体、精神を傷つけようとするあらゆるものを避けようとします。その時に持つ感情が恐れです。恐れ自体は、決して不必要な感情ではありません。恐れがあるが故に、私達は痛みを回避し、また回避できなくても最小限の傷で済むようにさせるからです。しかし、同時にその恐れという感情が逆に働き、恐れる必要のないものにまで恐れてしまい、何もできなくなることがあるのではないでしょうか。

キリストの母マリヤも、御使いの突然の来訪を受けたとき、心に恐れを感じました。「恵まれた女よ、おめでとう。主があなたと共におられます。」という祝福の言葉であったにも関わらずです。恐れを持ったマリヤに語られた御使いの言葉は、「恐れるな」でした。マリヤは自分の今までの経験や知識から、これは大変なことが起こるに違いないと思い、恐れました。しかし、マリヤは最後には「私は主のはしためです。お言葉通りこの身になりますように。」(1:38)という信頼の言葉を御使いに語りかけています。そんなマリヤを従姉妹のエリサベツは「主のお語りになったことが必ず成就すると信じた女は、何と幸いなことでしょう。」(1:45)と祝福したのです。マリヤがしたことは、選択でした。自分の経験や知識によった「恐れ」ではなく、主の御言葉の約束を信じる信頼を選択したのです。

私達の人生は選択の連続です。確かに色々なことを考えて恐れという感情に支配されそうになる時があります。しかし、神は人間に意志という自分で選択する力を与えてくださいました。私達は感情に流されないで、選択をすることができるのです。

どのような状況の中にあっても、神の御言葉の約束に固く信頼することを選択し続けるならば、私達は不必要な恐れから解放されていくことができるのです。