与野キリスト教会

私達がメディアを通して知るニュースは、そのほとんどが、良くない内容です。凶悪な事件や災害、有名人のスキャンダルに各地の紛争や自然破壊等々、連日耳にするニュースは人々の不幸を伝えることに多くの情報を費やしているという現実があります。

聖書のメッセージは、福音と呼ばれています。それは英語でグッドニュース。つまり良いしらせということです。聖書の中には沢山の事が記されていますが、それを一言に集約すると、「神はあなたを愛しておられる」という事です。その愛は、イエスキリストの十字架によって表されました。キリストが、私達を罪の滅びから助けるために自分自身を犠牲にして下さった。そこに神の愛の実体を見るのです。どんなに世の中に良くないニュースが蔓延していたとしても、神が私達を愛しておられるという良いニュースは、私達の心を潤し、将来に励ましと希望を与えてくれます。何故なら、人間にとって最も必要なものは、愛だからです。

１９世紀のデンマークを代表する童話作家H・C・アンデルセンは、大変な生涯を生きた人でした。彼は極貧の家に生まれ、病弱の父と、他人の汚れ物を洗って生計を立てる母によって育てられます。１１才で父を亡くし、学校を中退しなければならず、その後も、オペラ歌手を目指すも挫折し、彼は作家の道を歩み始め、特に童話に才能を発揮します。日本でもおなじみの、マッチ売りの少女や、醜いあひるの子、裸の王様は彼の作品です。彼は作家として大きな評価を受けますが、私生活では失恋ばかりで、生涯を独身で過ごしました。彼は「私の人生は、童話のように幸せでした。」と最後の言葉を病床で語り、７０年の生涯を閉じました。生前、自分の人生の幸せについてこのように語っています。「私を愛し、私を助けて下さるイエスキリストがいつも共にいて下さったからです。」彼は社会的な評価は得ていましたが、いつも深い孤独感にさいなまされていました。しかし彼はその度に、自分を愛して下さるキリストを思い続けました。彼を支え、励まし続けたもの、それは共にいて下さるキリストとその愛でした。自分は神から愛されているという確信。これこそが、アンデルセンの人生に幸いを与えたものだったのです。

私を愛し、私を助けて下さるイエスキリストがいつも共にいて下さるというグッドニュースは、私達の心にいつも喜びと希望を与えて下さいます。この福音をいつも心にいただきながら、感謝を持って日々歩ませていただきましょう。