だから、あなたがたは、神に選ばれた者、聖なる、愛されている者であるから、あわれみの心、慈愛、謙そん、柔和、寛容を身に着けなさい。 コロサイ3:12
今年も新しい１年が始まりました。日本では多くの人々が、初詣に、神社仏閣に足を運び、１年の幸せを願います。その願いの中心は、多くの場合自分の事であり、自分の願いが叶えられるように、賽銭を払うという代償を通し神仏に祈ります。この取引き的な信仰が殆どの日本人の持っている信仰であり、その中心は自分の願いです。
聖書信仰の中にも、もちろん、自分の願いや求めを神に祈り求めるということはありますが、私達の中心は、神様ご自身です。そのような意味では、私達が教会に来て祈り求めるものは、「自分の願いが叶いますように」という自分の求めることだけではなく、神の前に静まって、「あなた（神）は、私に何を語っておられるのでしょうか。私は今の状況の中で、何にチャレンジし、何ができるでしょうか。そしてあなたは私に何を願っているのでしょうか」という神を中心にした自分の生き方ではないかと思います。それは、私達が神によって選ばれた、聖なる愛されている者だからです。私達は、神によって人生が与えられ、生かされている者だからこそ、自分が中心ではなく、神を中心として歩むことが豊かな人生の秘訣なのです。
第１６代米国大統領アブラハム・リンカーンが歩んできた人生は本当に過酷なものでした。７才で両親の農場が破産し、小学校を中退後、学校教育を受けることはありませんでした。彼はその後、婚約者の突然死でノイローゼにかかり、精神病院に入院したり、政治家として選挙に出ますが、数回の落選の後、３７才で下院議員に当選します。その後、結婚するも４人の娘を病気で全員失ってしまいます。しかし、どのような試練の中にあっても、信仰にしっかりと立って、乗り越えていきました。そして５１才で米国大統領に就任します。南北戦争という、同国民同士の戦争で、劣勢の状況で部下が尋ねました。「大統領、神は我々の味方なのですか？」リンカーンは「あなたは、神がどちら側かと聞いているのか。最も大事なことは、我々が神の側にいるかどうかということだ。もし、我々が神の側にいるのであれば、何も恐れることはない」と答えられました。彼はその生涯で、朝起きて、聖書を読んで祈りをしないまま食事をしたことは無かったと語っています。リンカーンが、多くの試練の中でも支えられ、そして歴代大統領の中で最も支持を受ける優れた人格と指導者としての歩みは、神を中心にした人生だったのです。
この年の初めにあたり、自分の願いだけではなく、神を中心に、神に導かれる者として心整えて歩ませていただきましょう。