恐れてはならない、わたしはあなたと共にいる。驚いてはならない、わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わが勝利の右の手をもって、あなたをささえる。 イザヤ４１：１０
世界的な金融危機が続き、日本でも円高を更新する勢いです。多くの人々が、これからの世界経済、そして日本経済はどうなるのだろうと、不安を抱いている今日です。1929年に米国で始まった世界恐慌の時、不安と恐れにおののく米国民に対し、ルーズベルト大統領は「我々が恐れるものはただ一つ、我々が恐れることだ」と言って、国民を励ましたそうです。
恐れという感情は、危険を察知し、回避するために必要なものです。しかし、必要以上の恐れは、私達に不安を増大させ、正常な判断ができなくさせてしまいます。恐れることは必要なことですが、恐れなくて良いことは、恐れることがないように自分を律していかなければなりません。しかし、恐れに捕らわれてしまう時、私達は、自分で自分の心を律することができないような弱い、無力な者であることを痛感します。では、私達が不必要な恐れを乗り越えるために何が必要なのでしょうか。
それは、私達のすぐそばで、平安な揺るぎない心を持って、「大丈夫だよ」と励ましてくださる存在です。神は目には見えませんが、あなたと共におられ、「恐れるな、私はあなたと共にいる」といつも励まして下さっているのです。共にいて下さる神は、目には見えませんが、信仰を持って祈る時に、必ずわかる形で私達を支えて下さっていることを感じることができます。共にいて下さる神を信じていくなら、どのような状況の中にあっても、恐れから解放されて歩むことができるのです。
今年の８月、南米チリの落盤事故で３３名の鉱夫が地下７００ｍの場所に閉じこめられました。鉱夫達の生存は絶望視されましたが、事故から１５日後に、作業員が全員無事であることがわかりました。早速直径10cm程の穴から、水や食料などの必要物資が送られるようになりましたが、彼らは人数分の聖書を送ってくれるように願います。閉じこめられた鉱夫のほとんどがクリスチャンで、救出の希望を祈り求めながら互いに励まし合っていたのです。地下の避難所では毎日礼拝が行われ、信仰が彼らを強め、不安と恐怖から守っていました。最年少19歳のジミー・サンチェスという青年は、地下から父親宛てに送った手紙には、
「33人じゃない、実際僕らは34人だ。神様は絶対に僕達から離れない、いっしょにこの地下にいてくれるから。」と記されていたそうです。極限状態の中で、彼らの心を支えていたものは、神が自分と共にいて下さるという信仰だったのです。７０日ぶりに全員が救出された時、チリの大統領が「我々は信仰と希望を学んだ」という言葉の通りです。
神は私達と共にいて下さいます。不必要な恐れに心が揺さぶられる時、共におられる神に信頼して歩ませていただきましょう。