与野キリスト教会

昨年の劇的な政権交代から１年が過ぎました。多くの期待の中で始まった新しい政治ですが、権力を持つと、色々な人々の思惑に振り回され、最初の志を貫くことは帝変な事だと思います。今回の代表選を含んだ上で、政治家の在り方が問われているように思います。

私たちも、人生を生きる上で、色々な問題や、人々を気にする余り、自分の生き方に自信が持てなくなってしまうことがあります。そのような時に、その自分を支えるものとは何でしょうか。

それは、自分が何者かということを、明確にしているということです。聖書が私たちに語っているのは、私たちは神の作品で、良い行いをするために造られたということです。神がご自分の作品として、自信を持ってこの地上に送り出して下さったのが私たちなのです。作品とは、その作品を造った作者をあらわすものです。私たちは、神の作品として、この地上に神の素晴らしい愛が、祝福が、恵みが豊かに注がれていることを、身をもって表していく使命が与えられているのです。

日本を代表するキリスト者である内村鑑三師が行った代表的な講演（メッセージ）があります。それは「後世への最大遺物」というタイトルです。彼は講演の中で、われわれは後世に何を遺せるかを問い、お金、事業、思想を挙げた上で次のように言います。

「それならば最大遺物とは何でしょうか。私が考えて見ますに人間が後世に遺すことのできる、そうして誰にでも遺すことのできるところの遺物で、利益ばかりあって害のない遺物は“勇ましい高尚なる生涯”であると思います。高尚なる勇ましい生涯とは何か、それはこの世の中はけっして悪魔が支配する世の中にあらずして、神が支配する世の中であることを信ずることです。失望の世の中にあらずして、希望の世の中であることを信ずることです」

と語っています。現に内村鑑三師は、1912年、17才という人生これからの長女を病で失います。彼は人間的な悲しみもありましたが、それでも墓前で「ハレルヤ！」と叫び、神に感謝を捧げました。彼は悲しみのただ中で天国を見上げ、再会の希望を持って生き抜きました。神を信じているのに、何故このようなことが、神はどこにおられるのかと惑ってもおかしくない状況の中で、彼は身を持って、神がおられ、そしてキリストの十字架によって罪赦された者が天で再会できる希望を表していったのです。

私たちは神の作品です。作品にふさわしい歩みをさせていただきたいものです。