与野キリスト教会

ある時、イエス様が弟子達にお聞きになられました。「人々は私のことを何と言っているか」人々は、神からの言葉を特別に預かる人である預言者だと言っていたり、既に亡くなった偉人の生まれ変わりと言っていると弟子達が答えると、「それではあなた方は私を誰と言うか」とお聞きになられました。誰かがそう言っている。誰かからこう聞いたというのではなく、あなたはどう思っているかとお聞きになられたのです。これは、誰かが自分の考えや立つ位置を決めてくれるのではなく、あなた自身が決めなければならないということです。他人に、状況に、ものに自分の人生を決定させるのではなく、あくまでも自分の行き方を決めるのはあなた自身であり、人がどうであろうと、自分の人生は自分で決めることが出来るのです。

そして同時に、自分の立つ位置を決めるのも自分自身です。人間は自分中心で、誰かに甘えたくなり、自分は変わらず人が変わって欲しいと願います。それは神に対しても同じ事です。自分のことはさておき、常に神が自分を一方的に助けてくれればと願うわけです。しかし、神は正しく公平な裁きをされるお方です。誤っている者をそのままで良いとは言えませんし、道を外れているならば、それをお示しになろうとなさいます。そこで、私たちは自分の立つ位置を選択しなければなりません。自分を変えず、自分を正しいとする所に立ち続けるのか、神の願う側に立つ位置を変えて立つのかをです。罪を犯した人間に神が初めて問うた言葉は「あなたはどこにいるのか」です。自分がどこにいるのか、自分がどちら側にいるのか、いつも私たちは神に問われているのです。

１８６０年、奴隷制撤廃を掲げるアブラハム・リンカーンが大統領に就くと、奴隷制存続を訴える南部１１州が合衆国を離脱し、南北戦争が始まりました。次々と優秀な軍人が南側に就き、最初は北軍が劣勢になります。その中で、指揮を執るリンカーン大統領に向かって、部下がこう聞きました。
「大統領、神は我々の側ですか、それとも向こう側ですか。」
それに対してリンカーンは、
「あなたは、神がどちら側かと聞いているのか最も大事なことは、我々が神の側にいるかどうかということだ。もし、我々が神の側にいるのであれば、何も恐れることはない」
神を、自分の願ったような結果を生み出すために利用するのではなく、自分が神の前にどのように生きるのか、どのような態度を持って歩むのか。これこそが大切な事なのです。

いつの間にか、自分がどこにいるか見えなくなってしまう私たちです。御言葉によっている所を整えさせていただきましょう。