与野キリスト教会

「初心に立ち帰る」この言葉は名言であり、どのような道に進んだとしても、必ず自分の原点に立ちかえらせてくれる素晴らしい言葉です。皆さんの信仰の原点とはどのようなことでしょうか。また、そこに立ち帰るためにどのようなことを心がけておられるでしょうか。

私たちも、教会に導かれ、イエスキリストを自分の救い主とすることを信じる決心をした時が、おありだろうと思います。その時に感じた純粋な思い、その時に抱いた信仰の決断、それは、信仰を継続して持ち続けるためにとても大切なものです。しかし、時間の経過や状況の変化の中で、いつの間にかその大切なものを忘れてしまうことがあります。もう月日が過ぎていて、その時の気持ちを思い出すことが困難である場合もあるかもしれません。信仰を維持していくことは、自分の力では難しいことです。だからこそ、私たちには助け主なる聖霊様がおられます。忘れていること、大切なこと、それらを思い出す助けを与えてくださる聖霊様に祈り、助けを求める時、必ず神様は私たちに救いの原点を思い起こさせてくださいます。そして、その原点、初心は、いつも私たちが信仰的なスランプや壁にぶつかった時に、何をなすべきかを指し示してくださるものなのです。

「人間は考える葦である」で有名なパスカルは、１７世紀、フランスの生んだ天才と言われます。教育熱心の家庭に生まれた彼は、若くして物理学者、数学者として名声をあげていきました。元来病弱だった彼は哲学や人生に対しても深い造詣を持ち、３１歳で「聖書こそ、そこに記録されている事実において、間違いなく神の言葉である」と、イエスキリストを信じる信仰の決心をいたします。

そして彼は、

「イエスキリスト、私は彼から離れ、彼を避け、彼を捨て、彼を十字架につけましたしかし今から後、どんなことがあっても、彼から離れることが永久にありませんように福音書に記されたあなたこそ、本当の神です。イエスキリストよ、私はあなたとあなたの僕たちに従います。私の地上の試練の一日は、永遠の歓喜となりました。私はあなたのみことばを永遠に忘れません。アーメン」

この短い言葉を、自分の上着の裏に縫いこんで、それをずっと着続けられました。彼は信仰を持つことを決断した感動に生涯触れ続けていかれました。何かあるたびに、上着の裏に縫いこんだこの言葉をかみしめて、信仰を全うしていかれました。彼の生涯を貫いたものは、いつも初めの愛に帰ることだったのです。

皆様の信仰の原点はどのようなものでしょうか。今一度、原点に立ち帰り、信仰生活を深めてまいりましょう。