与野キリスト教会

聖書の中には、様々な人生の法則とも言えるものが記されています。その一つが「ゆるしの法則」です。ゆるしの法則は至ってシンプルで、人をゆるすなら神もあなたをゆるし、人をゆるさないなら、神もあなたをゆるさない。というものです。

私達は生きている限り、誰かに傷つけられ、不当な扱いを受けたと感じます。自分に被害を与えた人を、簡単にゆるしてしまったら、その人のためにならない、そして被害を受けた自分の気持ちを考えるなら、ゆるさないことは当然のことだと多くの人は考えます。しかし、ゆるさないことは大変な問題を内包しています。それは、人をゆるさない人は、神からもゆるされないということです。神が私達の全ての行動、思い、考えとご存じであるとすれば、私達が神からゆるされなければ、大変なことになってしまいます。しかし、人をゆるせば、自分もゆるされるのであれば、人から傷つけられたと感じる時、それは、私達が神からゆるされるチャンスにもなるのです。ゆるす者を神はゆるして下さいます。人をゆるすということ、それは私達の人生が更に神の祝福を得るために、必要なことなのです。

2008年12月8日、米国海兵隊のFA18戦闘機がサンディエゴ近郊の住宅街に墜落し、民家を大破しました。この事故で、韓国系住民ユン・ドンユンさん(37)は、妻のユン・ヨンミさん(36)とその母のキム・スクイムさん(60)、娘のグレースちゃん（15か月）とレイチェルちゃん（2か月）の4人の家族を失いました。パイロットはパラシュートで脱出し病院に入院しました。翌日、熱心かクリスチャンの父親のユンさんが、涙をこらえながらも会見で述べた言葉です。

「責めるつもりはないし、恨んでもいない。彼ができる限りの手を尽くしたことは分かっている。この事故のせいで彼が苦しむことのないよう、祈ってください」

事故にうちひしがれつつ、加害者にも配慮を示すユンさんの姿は大きな反響を呼び、全米はもとより、欧州やアジアからも寄付の申し入れが相次いだそうです。ユンさんは、失ってしまったものを誰かのせいにするのではなく、ゆるしを選び取りました。ゆるしは私達の選択なのです。

ゆるしは私達がゆるされる大きな祝福であり、チャンスです。この恵みを受け取って歩ませていただきましょう。